Vol.4 キーワード:オリンピック 「ねぇ、御剣、知ってる?」 あぁ多分知ってるんだろうな、と思いつつ、ぼくは言葉を続ける。 「昔のオリンピックって全裸でやってたんだよね」 「知っている。・・・貴様は出場出来ないだろうな」 御剣は肩を僅かにすくめて、笑う。 それの意味するところは、もう臨戦態勢に入ってるぼくの状態を指してるのか、ぼくの体力がないってことなのか、ちょっと微妙。 「御剣だって、出れないよ?」 「きみよりは体力に自信があるつもりだが」 「だって、きみの裸を見せたくないもん。それに、きみの綺麗な身体を見て、欲情したひとたちが突っ立てちゃったら見苦しいでしょ。試合になんないよ」 「きみは馬鹿か・・・」 そうだろう。ぼくは馬鹿。御剣の服を脱がしながらする話じゃないかも。 もうちょっとその気にさせる言葉を言えればいいのになぁ・・・ 「じゃぁねぇ、これは知ってる?」 御剣の服を脱がして、ぼくも脱がされて、互いの肌を寄せ合って、キスを交わす。 「相手を失神させるか、降参させるまで続ける競技」 「格闘?」 「そんな感じなのかな。やってみる?」 「私がきみに負けるとは思えないが」 「うーん。そうだね、ぼくのほうが不利だね。ルールが」 「どのようなルールなのかね?」 「相手の身体の穴に指を入れる以外、何でもアリ」 「!?」 「全裸のきみを見ちゃったら、もう指どころか、イロイロ入れたくて仕方なくなっちゃうからネ」 御剣の顔が何ともいえない表情を浮かべる。 「あ、きみを煽って、きみから『いれて』って言わせればぼくの勝ちかな。それとも、指以外は入れてもいいのかなぁ。どう、この勝負ためしてみない?」 「馬鹿者ッ」 目から火花が散るくらい殴られた。 でも、ぼくだって、そのくらいじゃ引き下がらない。 御剣の身体を撫で回して、嘗め回して、例の場所以外、徹底的に愛撫した。 同じ男だから、分身の直接的な刺激に弱いこともわかってる。 とろとろと涙を流すそこを軽く握って、最後まではいかせない。 「なるほどう」 誘う声に、目に、ふらつく自分を抑えて、 「ね、降参する?」 「・・・」 ふいっと御剣は視線をそらす。 早く降参してくれないと、こっちが負けそうです。 あぁ、もう負けちゃってもいいかな。 御剣の手が自分の腿の間に入る。 ぼくの手と触れ合った。 意外にもぼくの手を引き剥がすでもなく、その奥へと進む。 「きみが指をいれなければいいのだろう」 「え」 御剣の指が先走りをすくい、秘所に差し込まれる。 「ん」 ぼくの眼の前で展開される光景に、ぼくはあがる呼吸と鼓動を抑えることなんて不可能で、御剣をがばっと押し倒さないようにするだけで精一杯。 くちゅくちゅと音がして、御剣は己の指でそこを解す。 「私は負けたくないからな。法廷でも、ベッドでも」 脚をひらいて、ぼくの身体を引き寄せる。 「きみだって、そうだろう?」 「うん。でも、きみになら負けてもいいや」 御剣の身体をうんと引き寄せて、蕩けたそこに、もう限界までそった分身を触れさせた。 その後のことはいつもと同じ。 焦らしあったから、いつもより激しかったかも知れない・・・ 本当にあった競技ですよ。 |