Underlay はじめての御剣の家。 何だか高価そうなものが何気なくあったりして、御剣っぽいなぁとか思ってしまう。 御剣がいつも座ってる、ソファに腰掛けて、背に顔を埋めてみた。 何となく御剣の香りがする。 寝転がってみた。 御剣が寝転がってるところとか想像しちゃって、ぼくはひとりで笑った。 ちょっとまるくなって、眠る御剣の姿って可愛いと思うんだ。 自分の住処で、安心しきった顔で眠るんだろうな。 眉間に皺とかなくて、穏やかな表情なんだろうな。 いやいや、別に御剣は不機嫌でも綺麗な顔してるけどね。 柔らかなクッションをかかえて、ぼくはソファに座りなおす。 このクッションを抱いて、御剣は転寝したりするのだろうか。 クッションがうらやましい。 「何をしてるんだ」 クッションに顔をすりよせてたら、御剣から呆れたような声をかけられた。 お茶の用意が出来たみたい。 カップを眼の前におかれた。 「いや・・・クッションがうらやましいなぁって」 「意味がわからない」 当たり前だよね。 「このクッションになりたいなぁって」 御剣は眉をひそめる。 「・・・きみはクッションとして下敷きになりたいということか?」 「え?御剣の下?」 想像しちゃって、ぼくは口を押さえる。 なんか、涎とかでてきそうだった。 「変な顔をするな」 御剣が嫌そうな表情を浮かべる。 「御剣にしかれるなら大歓迎だよ。どう、今日から使ってみる?」 御剣なんか恋人にしたら文字通り、尻に敷かれるんだろう、いろんな意味で。 それでも、実は、御剣に恋してる自分がいるわけで。 だから、クッションなんかでもいい、御剣の傍にいるそれを羨ましいと思う。 「・・・遠慮する」 「やっぱり?」 告白としては最低っぽかったよね。 ・・・ていうか、どんな告白だよ! でも、今更、好きとか愛してる、とか言えないから、こういう言い方するしかない。 ・・・鈍感な御剣が気づくわけないけど。 「きみをクッションにしたら刺さりそうだ」 御剣の真面目な返答に、ぼくは爆笑してしまう。 「頭に座ることないだろ!」 あ、でもまてよ。 「あ、うん。服脱ぐならいいけどね」 と、ちょっと過激なことをいってみた。 「成歩堂」 あ、御剣の声色がかわった。 怒られる?たたき出される? ぼくはちょっとだけ首をすくめる。 「きみは、私が好きなのか?」 「・・・うん」 「その気があるなら・・・もっとちゃんと誘いたまえ」 「え?」 やっぱり、気づいてた? あんまり好きだから、隠せないのはわかっていたけど。 御剣と、関係を持ちたい、ってとこまで気づかれてるとは。 御剣が気づくってことは、他のひとにはもうとっくの昔にばれてるんだろうな。 御剣が、ぼくの気のぬけたような表情をみて、華やかに笑った。 ぼくも、つられて、照れ笑いをした。 |